実録すし屋置いてけぼり事件の全貌。
川西さんの脱退までが絡んでいるいう。


奥田「すし屋の話だよな」
EBI「ああ、札幌と言えばすし屋」
奥田「すしを食いに行ったのよ。みんなで仲良く。仲良い人はね」
EBI「仲の、良い、人が、ね」
手島「その場にいた人たちがってウワサもあるが(笑)」

 ペニーレインの近くにはすし屋があった。
回転ずしである。だがあなどってはいけない。銀シャリの上にカニがドドーンの回転ずし屋だったのだ。
そこへどっとくりだそうということになったのだが、EBIは不幸にも、「おいてけぼりを食った」のであった。しかも、「ちょっとトイレに行ってるスキに」みーんな行ってしまったのだ。


手島「タイミングが悪かったのよ。ここぞというときにはかったようにいないから」
EBI「でもいないから行く、というのは」
奥田「だから二手に分かれたのよ。どっちかにいるだろうって」
手島「でもいなかった。で、食いながら心配になって」
奥田「EBIは?と」
EBI「でもねぇ、オレはね、たまげたよ。だってトイレから出たら誰もいないんだよ。ありゃりゃりゃりゃーだよ」
奥田「はっはっはっはっ」
EBI「どっきりカメラかと思ったもんね(※1)。ったくひとりぐらい残っといてくれたってええやんけ、たのむえ」
奥田「たのむえって京都の人か(笑)、お前」
手島「EBIが来たころにはみんな皿をダァッと積み上げていて。オレはEBIが怒るのわかってたからさきに帰った」
EBI「それにしてもなーんか伝言書いて残してくれるとかさぁ」
阿部「だぁってEBIがいないことに気づかなかったんだから」
EBI「でも捜してくれるとか」
奥田「ただすし屋に向かう時話題がなかったんだよ。あの、ひほほって笑い声が聞こえなかったらEBIがいないってわかるんだけど無言で歩いてたから」
手島「路面がすべりやすくて、みんな下ばっかりに集中しとったな」
EBI「でも誰かひとりでも残ってくれればさぁ」
奥田「だってもう第一陣で行ったもんと思うとっからぁ、残るもなにも。で、行ったら、あら、EBIは?と」
阿部「ちょうどその時、エビが回ってきてねエビはやっぱりEBIが食わなく、ちゃーあれ?EBIは?と」
EBI「だけどオレが行けば、みんな見て見ぬふりして、もくもくと食べて」
奥田「うそだぁ!みんなでこれがいいよ、これがとか言ってたじゃないか」
EBI「言ってないよ、そんなのっ!」
奥田「言ってたじゃないかぁ。EBI、これがうまかったよって」
EBI「違うよ。なんか恐い物を見るような目つきで、ヤバいなって避けてた」
奥田「だってホントに怒ってんだもん」
EBI「怒ってなかったよっ、もう!」
奥田「怒ってたよっ!」
EBI「いや、怒るのはオトナじゃないからな、もう冷静に。こういうこともあるさ、という感じで入って行ったんだ」
奥田「いや、怒ってた」
EBI「しかしみんな恐怖で背中が、」
奥田「もういいだろう回転ずしくらいでぇ。んな高級なすし屋じゃないんだから。いつでも行けるじゃないかっ!」
EBI「でもひとり取り残されたのが悲しかったんだよぉ、この年になってまで」
奥田「取り残そうとして取り残したわけじゃないんだからぁ。対馬なんてもっとヒドい目にあったんだぞ(※2)。やっぱりトイレ行ってる間だったけど」

”トイレはひとりで行っちゃいかん”という教訓を得たEBIであったがすし屋ネタはさらなる波紋を広げることとなった。

手島「オレはEBIに悪くて4皿しか食えなかったよ」
奥田「うそぉーつけぇ、このぉ」
阿部「お、カニカニカニカニって食べてたじゃないか」
奥田「そういえばニシカワくんと阿部とオレと並んで食ってたんだけどニシカワくんのところでみんなとまってたんだよ」
阿部「そう、ぜんぜんすし来ないの」
奥田「一番はしっこの、(すしが)出てくるところにいたから、現れたと思ったらピッととっちゃうんだよ、ニシカワくん」

東京へ戻る。そしてレコーディング真っ盛りの中での衝撃。ドラマー・西川幸一の脱退だった。
本質的な大切な部分のズレを感じた。このままバンドに残れば自分はうそをつくことになってしまいそうだった……西川の脱退は自身にとって必然だった。
ところが。新事実は判明したのである。


EBI「やはりオレを置いてけぼりにしたんでリーダーとして責任を感じたんだよ」
奥田「それでやめたの(笑)」
阿部「あーはっはっはっ」
EBI「え、やはり食い物の恨みは、ね」
奥田「すしぃー、すしの恨み」
EBI「責任をとっていただきました。も、ニシカワくんの話が出た時、あ、すし屋のってすぐ頭に浮かびましたね。リーダーとしてその責任を問われる立場にあったわけですから」
奥田「あれはため食いだったのかぁ」
阿部「でもオレもね、やめるって話聞いた時これはすし屋の件でだなって思ったよ(笑)」
EBI「そ、すし屋の一件が尾を引いてるんだな、と。リーダーですしね」
手島「リーダーでなくてよかったとみんな思ってた(笑)(※3)」

つまり西川の脱退は、
”EBIを置いてけぼりにしちゃっただけでなく、それにも気づかずひたすらすしを、しかもすしの出てくるところに座って食べていたことに責任を感じた”からなのだ。
少なくともメンバーはそう信じているようではある。


EBI「でもさびしいですよ」
奥田「なにが?」
EBI「すし屋」
奥田「まだ言っとんのかいっ!」


※1どっきりカメラかと思った
ライブハウスの中にひとりとり残されたEBI。そこへイベンターの若林さんがひょっこりあらわれたから、てっきり彼も仕掛人の一人だと思い、
「冗談よしてよぉー、いやだなぁー」
と、怒りを押さえさっそく抗議。ところが若林氏は「??????」。「じゃあ、すし屋かもしれないよ。電話入れてみようか」
若林氏の予想が的中して、EBIは無事に合流できたのであった。
マジにアセッたらしい。


※2対馬なんてもっとヒドい目にあった
対馬氏がパーキングエリアで用足し(一説にはうんこだという)をしている間にバスが発車してしまった。車中のスタッフはツアーの疲れとアルコールでグーグー寝入っていたので対馬氏の不在に誰も気づかなかった。
目的地のホテルに着いて、荷物があまっていたことから初めて一同「あ!」。
パーキングエリアに電話を入れ、対馬氏を呼び出してもらい、すぐさま迎えに行ったという。
その間、深夜でしかも所持金もなく、途方に暮れながらパーキングエリアの休憩場で無料のお茶をすすっていた対馬氏であった。
奥田「笑えなかった。本当にこんなこともあんのねと思った」


※3リーダーでなくてよかった
奥田「もしEBIがリーダーだったら、みんながクビになっていたんだろうか?」
などとバカなことを言いつつある疑問がわいた。
奥田「マネージャーはどうなのよ?マネージャーは!も、バリバリ食っとったな」
手島「ばくばく」
EBI「もう、じゃんじゃん、もぐもぐ。これでもかってぐらい食ってた」
「マネージャーは会社に守られているんだからネ」
ふっとシニカルな笑みを浮かべる阿部である。



注釈:藤野陽子氏/人に歴史あり3より